窓際族より胸いっぱいの愛を

(You Can't Always Get) What You Want ?

日本の芸能界の今後を憂う

「あえて言おう、カスであると。」


その昔、ガンダムの登場人物のギレンは云った。



同じ事が、TV業界、音楽業界をはじめとした、いわゆる「芸能界」に云える。


大きなモノに喧嘩を売ってるような感じもするが、あくまでも相手を愛するがゆえの発言であると、ご理解頂きたい。


「今のTVは詰まらない。」

「今の芸能界は詰まらない。」


そういう事である。





なぜ?



では、逆に、「オモシロイ」という状態について考察してみよう。

何も難しい話ではない。


90年代の半ば、絶頂期をむかえていたダウンタウン松本人志が出版したエッセイ、「遺書」には、その事がとても分かりやすく書いてある。




「楽しい」と「オモシロイ」はまったく違う。




これが答えである。


松本人志の言葉には何度も目からウロコが落ちてきたが、この言葉が今のところ一番かも知れない。


詰まり、「楽しい」とは「予定調和」である。

みんなで楽しく、ル―ルを守って仲良しごっこ♪である。
少し誇張し過ぎているかも知れないが、おおむねそんな感じだ。


「楽しい」空間を創り出す事の出来る人を「ム―ドメ―カ―」と云う。


が、いっぽうで、「オモシロイ」とは何なのか?


それは、「想定外」である。

「ハプニング」とも云う。


詰まり、予定調和の真逆の事態である。



人は、想定外の事が起きた時のみ、「オモシロイ」と思う動物なのである。


だから、TVや芸能界が詰まらない、オモシロくない、という事は、そういう世界に「想定外」がなくなってしまったから、という事になる。


「トラブルメ―カ―」が居ない、とも云える。


ね、簡単な話でしょう?


まぁ、解決策なんかについては難しいお話になってくるのかも知れませんがね(笑)


だって、TVに映る芸能人や芸人はみんな(小)賢いイイ子ちゃんばかりだし、誰もアブナイ奴が見当たらない。


「そういう時代なんだよ。」


「クリーンなほうがイイじゃないか。」



....そういう意見もあるでしょう。

しかし、皆さん、結局BIG3頼みでしょう?

たけし、さんま、タモリ


紳助は消えてしまったが、復活を待望されるほどの状況である。
ある意味、かなり情けない。


所ジョ―ジ、鶴瓶、有吉、マツコデラックス

ダウンタウン爆笑問題はまだイイとしても、とんねるずウッチャンナンチャン、ナイナイなどは、僕個人としてはオモシロイとはもう思わない。



それに、黒柳徹子に三輪明宏といった芸能界の創世記から存在している様な人物達だ。


いずれにしても、TVは80年代中頃にピ―クをむかえ、その後は緩やかに下降線をたどっていった。


90年代から2000年を過ぎてからも、様々なキャラクタ―が登場したものの、結局、BIG3の代わりにはなりはしない。


まぁ、いつの時代も、いい歳こいたオッサン芸能人が日本ではいつもヒ―ロ―ではあったのだが。

渥美清石原裕次郎いかりや長介、ビ―トたけし、松本人志......


尻の青い20代のクソ餓鬼が天下をとっていた時代などなかったとは思うが。


ただ、本当に芸能界の縮図は30年前から殆ど変わっていない。

あまりにも新陳代謝が行われていない事にビックリする。


もう、トドメを刺すような事を思いっきり云ってしまうなら.....



「キャラクタ―が薄過ぎる」のである。



その理由は様々あるだろうが、個人的な見解として、「苦労が足りない」のである。

「思想が足りない」、と思う事もよくある。


今の若い人間は哲学などやらないだろう。

昔は嘘でもニ―チェだか、ランボ―だか、ヘッセだか、ドストエフスキーだか、サルトルだか、ボ―ドレ―ルだかってな時代があったようだし。
(いや、それがイイのかどうかは知らんが(笑))



兎に角、こんな物質的に満ち足りた社会、国の状態で、濃いキャラクタ―が生まれるとはとても思えない。


こんな事を云うと、少し問題かも知れないが、僕は、すさまじい存在感をもった人間が誕生するには、その人間に対して、「貧乏」「暴力」「差別」....


こういった事が降りかかる必要があると思っている。



勿論、そんなモノは無いほうがイイに決まっている。
僕だって、そういうのを受けてきた人間だから解る。
そんなモノは最低最悪だ。

人の人生を、人格を確実に狂わせる。




....が、そういう苦労を経験する事でしか決して解らない世間の側面が、ある。

底辺の生活、イジメや無視、差別、悪口、汚い金、飲む·打つ·買う......


この世界は決して綺麗ではない。

勿論、素晴らしく、心が洗われるような光景を目にする事もある。


しかし、清濁両面をあわせ持っているのが人間というイキモノである。


上に立つ人物は、そういったあらゆる美しい事、あらゆる汚い事、素晴らしい事、クソみたいな事.....

両方をよ―く把握して居なければならない。


こんな殺菌されたド―ムの中で育てられたような子ども達が、たいした芸能人となるだろうか?

それは、NOであろう。


「じゃあ、どうしろってんだよ」って云われても、そんな事は知らないし、解らない。



でも、このままだと、10年後....いや、5年後のTVといったらメチャメチャ詰まらないだろうな、と思う。
(もう既にこれだけ詰まらないのだから)




いつまでBIG3は第一線でやっていかなきゃいけないのか、という話になってくる。


ドリフや欽ちゃんはちゃんと廃れたけど、BIG3はシブトい。

歳をとっても全然、何にも衰えていない。

それどころか、新人を自分のキャラを際立てる肥やしにしてしまう。

バケモノのような人物達である。


と、云うか、あの3人は、人としても当然スゴいし、この世のあらゆる物事を把握している点においても、他を圧倒している。

日本のTV業界が創りだした、最大最強の芸能人であろう。

彼らを用済みにするような人物の登場というのも、なかなか想像出来ないが.....






それこそ「ビ―トルズ」みたいな存在が、バ―ン!と登場でもする必要があるだろう。


それが「SMAP」なのかも知れないが、少し役不足の感もある。


「嵐」など、話にならない。


昨今、かなり各方面から叩かれまくっているマッチ先輩も、あの人もナンダカンダ云っても、かなりスゴイ人物だとは思うのだ。

人間、ただのイイ人ではまったくオモシロくもない。


かといって、完全にワルになってしまうのもダメな訳で。
古くさいかも知れないが、「人情」や「粋」といった要素は案外、というか、かなり重要なのだ。


その塩梅は非常に難しい。





かなり厳しい記事を書いた訳だが、大いなる愛情をもって書いたつもりだ。




このままでは、日本の芸能はオワコンになってしまう、本当に。