ロックは死んだ
「ロックは死んだ」。
ジョン·ライドンだけじゃなくて、色んな人に云われてきた言葉である。
確かに商業的な面を考えると、ロックってホントに弱い。
すぐにアイドルやダンスミュ―ジックに喰われる。
何十年かに一度の割合で、粋のいいロックの天才みたいな人が現れて(ジョン·レノンだかカ―ト·コバ―ンだか)大々的に復活させるんだけど、せいぜい2~3年もすれば勢いはすっかりおさまってしまって、上記の様に、アイドルやダンスに取って代わられる。
ロックが衝動的なモノを大事にしてる音楽だからかも知れない。
新鮮味がなくなったら、どんなに優れていてもすぐにダメになる。
その期間がせいぜい2~3年なのである。
その間は、雨後のタケノコの如く、先駆者に似たようなバンド達がうん百とバ―ゲンセ―ルの様に出現するが、それらのバンドも先駆者が行き詰まると、とたんに消え失せる。
ホント、バンドブ―ムなんて、何十年に一度の一過性のブ―ムに過ぎない。2~3年くらいのね。
ブ―ム起こすのがめちゃめちゃ大変なわりにあっちゅ―まに収束する(笑)
それに比べて、アイドルやダンスは強い。
いつでもどこでもすぐに復活する。
っていうか、多分、基本途切れていない。
だから、ロックも、生き残る為に、基本スタイルだけじゃなくって、それこそアイドルに接近してみたり、ダンスの要素を取り入れてみたりして進化を試みてきた。
例えば、BABYMETALは、アイドル+メタルである。
日本で(数字だけで見ると)一番売れたロックっていったら、90年代のBzだと思うのだが、90年代のBzがやっていた音楽性と云えば、ダンス+ハ―ドロックである。
ダンスとロックは相性がイイ事は既に誰もが知っている筈である。
ダンスとロックは兄弟みたいなもんである。
どちらもグル―ヴが大切であり、とどの詰まりは、ダンス+ロック=ロックンロールと云えなくもない。
まぁ、チャックベリーやエルヴィスプレスリーがやっていた様なグル―ヴになるかは分からないとしても。
もっとテクノっぽい音楽になるのかも知れないけど。
(クラウトロック寄りのねぇ)
兎に角、ロックも常に絶滅危惧種だから生き残るのに必死だ。
だから、様々なジャンルの音楽を吸収して生き延びようとする。
クラシックにジャズにテクノ、ファンクにアヴァンギャルド...
そうやってるうちに、最早「ロック」っていう定義がワケわかんなくなっちゃった。
何がロックなのか、どういうんがロックなのか?一言では表せなくなっている。
別に音楽なんだから言葉はいらない、とか云われたらそれまでなのだけれど。
とりあえず、「ロックはまだ死んでいない」。
というのが、僕の見解であります。
様々なジャンルも人も現象も、どんどん喰べて(メディアミックスして)巨大化出来るロックは恐竜のようにシブトい。
絶滅しそうでなかなか絶滅しない。
U2のアルバムに「魂の叫び」というモノがあるが、結局ロックってそれに尽きる。
ロックは最早音楽の事ではないのである。
やっている人間の生きざまを見せつけるモノなのである。
だから、逆に云えば、音楽的になんかロックっぽい音を鳴らしていても、やってる人間達の人間性が全然ロックじゃなかった場合、これ、まったくもってロックにはならないのである。
音楽性がロックのイメ―ジからかけ離れているような事をしていても(例えば一人で静かな曲をピアノで弾き語りをしていても)演奏者がバリバリのロックな人であれば、不思議な事にその場には、ロックの世界が広がるのである。
ロックに生きる人が絶滅しない限り、ロックは死なない、と云えよう。
じゃあ、「ロックな人ってどんな人?」っていう、また重箱の隅をつつく様な質問がくる。
とりあえず、「自分自身の信念を貫く人」じゃないですかねぇ。
あくまで僕の意見ですが。